指揮 外山 雄三
Conductor : Yuzo TOYAMA
1931年東京生まれ。東京音楽学校(現在の東京芸術大学)で作曲を学び、在学中の1951年「クラリネット、ファゴット、ピアノのための<三つの性格的断片>」で第20回音楽コンクールに入賞。1952年卒業と同時にNHK交響楽団に打楽器練習員として入団。1954年には指揮研究員となり、1956年9月にNHK交響楽団を指揮してデビュー、以後各オーケストラに数多く客演を開始。1958年から1960年にかけてウィーンに留学。1960年NHK交響楽団の世界一周演奏旅行に同行し、ヨーロッパ各地12ヶ国で演奏。指揮者としてばかりでなく自作の「管弦楽のためのラプソディー」によって作曲家としてもその名をひろめた。その後1964年、1966年、1979年のNHK交響楽団海外公演を指揮、1979年にはNHK交響楽団正指揮者に就任した。1985年にはニューヨークで開催された国連40周年記念コンサートにNHK交響楽団とともに出演、全世界に放送された。国内では大阪フィル、京響、名古屋フィル、神奈川フィル、仙台フィルの要職を歴任。海外でも日本を代表する指揮者・作曲家として、たびたびオーケストラや国際コンクールなどに招かれている。オペラ指揮の分野でも、その緻密な音楽作りが高く評価されており、1999年三善晃作曲「支倉常長<遠い帆>」、2006年一柳慧作曲「愛の白夜」各初演での圧倒的名演が記憶に新しい。これまでに作曲した作品はオペラ、バレエ音楽、ミュージカル、劇音楽、交響曲、協奏曲、管弦楽曲、室内楽曲、歌曲、合唱曲など多岐にわたる。1963年第12回尾高賞、1981年第1回有馬賞、1983年第14回サントリー音楽賞、1999年文部大臣表彰、2000年第48回尾高賞を受賞。現在、NHK交響楽団正指揮者、スウォン・フィルハーモニック管弦楽団名誉指揮者(韓国)を務めている。愛知県立芸術大学客員教授。http://www.yuzo-toyama.com/
チェロ ガブリエル・リプキン
Violoncello : Gavriel LIPKIND
1977年イスラエル生まれ。神童としてその名を広く知られていた。イスラエル、フランクフルト、ボストンの3つのメジャーなアカデミーな音楽学校を卒業し、12以上のコンクールで最高位を受賞。2002年にベルリンで行われた第1回エマニュエル・フォイアマン国際チェロ・コンクールでは、モーツァルトの協奏曲およびライマンの「ソロⅡ」の演奏解釈に対して、それぞれ特別賞を獲得した。15歳でズービン・メータ指揮のイスラエル・フィルと共演。その後も、ミュンヘン・フィル、ボルティモア響などのメジャー・オーケストラ、フィリップ・アントルモン、ジュゼッペ・シノーポリらの指揮者、ユーディ・メニューイン、ピンカス・ズーカーマン、ユーリー・バシュメット、ギドン・クレーメルらの錚々たる演奏家と共演する。2000年から演奏活動を休止し、レパートリーの拡大などを主たる目的としたサバティカル休暇に入る。その成果は、自身のプロデュースによる2枚のCD、民俗的な背景を持った小品を集めた「ミニアチュールとフォークロール」、バッハの無伴奏チェロ組曲を取り上げた「シングル・ヴォイス・ポリフォニーⅠ」に結実。いずれも高い評価を得、バッハのCDはミュンヘンで「ローズ賞」を受賞。日本でも「レコード芸術」誌(音楽之友社)がいち早く取り上げて紹介した。これまでにウズィ・ウィーセル、アントニオ・メネセス、バーナード・グリーンハウスらに師事。2007年に初来日し、驚異的な才能で大きな話題をさらった。そのリサタルの模様はNHK-TVを通じて広く放送されている。同年、ドイツのシュトゥットガルトで、若い作曲家9人にチェロの作品を委嘱し、一晩で演奏するという前例のない試みを実現。ルードヴィヒスベルク音楽祭で演奏し、大きな話題を呼んだ。リプキンの使用楽器は、アロシウス・ガラーニ(1702年ボローニャ)。http://www.lipkind.info/
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